いわゆる「墓じまい」の需要は、どちらかというと先祖代々のお墓がなくなる事の心配ですが、逆に「自分自身のお墓が将来なくなってしまうのではないか」という不安も、お墓選びに多大な影響を与えました。

無縁墳墓の改葬の簡素化により、自分の折角購入したお墓も子供達がしっかりと管理が出来なければ、いつかはなくなってしまうという可能性が多くの人に意識される様にもなりました。

近年では、無縁仏になってしまうのではという不安感に、子孫に負担を掛けたくないという考え方も合わさって、最初から承継者や管理費不要のお墓を選択する人が増加してきました。

樹木葬の中でも、特に都市型の樹木葬墓地が人気なのは、共同墓に対する認識の変化が大きな要因だと思います。

共同墓というのは、最近までは無縁仏になった墓石を集めた無縁塔と似たようなもので、「身寄りの無い人たちの為のもの」という認識がありました。

しかし近年では、新たにお墓を購入する人の中には、承継者がいなくて将来は無縁塔に合祀される事が分かっているので有れば、最初から共同墓に入る方が良いと考える人、または子孫に迷惑や負担を掛けたくない人、ひとりぼっちでは寂しいので、他の人たちと一緒に埋葬しもほしい人等、自ら生前に共同墓を選択するという人が増えてきました。

この様な人たちの為に、これまでの共同墓とは違う合葬型の共同墓地が求められたとき、都市型の樹木葬墓地が良い選択になっているのです。