今回はドイツの樹木葬墓地での葬儀のお話をご紹介します。
※今からご紹介するのはドイツの一部の葬儀のご紹介であり、これが全てではなく、あくまで一例としてご紹介させて頂きます。
ドイツでも当然の事ながら、葬儀は行われます。実際の流れは、指定の時間になると、ご遺族の方が森の入り口にある駐車場に集まってきます。
葬儀担当のスタッフがいるので、このスタッフ達がご遺族をお迎えしてご挨拶をします。普通の樹木葬墓地では、ご遺族が自分たちで葬儀会社を手配して葬儀を行い、そこに森林官が立ち会います。
時間になると、みんなで森の中を歩き、契約済みの樹木が立つ場所に移動します。墓標となる樹木の前には既に台の上に置かれた骨壺と、シダや花などで飾り付けられた墓穴が準備されています。
そして、その前に参列者の人数に応じた数のベンチが置かれ、参列者が着席するとセレモニーのスタートになります。
故人の生前の人柄などが紹介され、その後に聖書や文字、詩などの言葉が読み上げられます。故人の好きだった音楽が流れ、参列者一同静かに聴き入ります。
誰もが立ち入れる森の1画で葬儀が行われているため、時々ジョギングやウォーキングを楽しんでいる方も近くを通ります。
普段の人々の日常生活と自然空間、墓地空間が重なっていて、初めてその光景を目にしたとき、少し不思議な感覚になると思います。
日本の葬儀のお焼香の様な儀式や喪主の挨拶などもあり、日本の葬儀の流れと大きな違いはありません。
もしいつか、ドイツでの樹木葬を目の当たりにすると、人間の死というものが、本当に自然の一部であるという事を感じる事が出来るかもしれません。