葬儀の流れ総まとめ|日程の流れ・当日の流れ【種類・宗教別に解説】
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葬儀はなかなか自分ですることがありません。そのため、いざ行うとなると流れがわからず不安なものです。この記事では葬儀の流れについてまとめます。
なお「葬儀」は、亡くなってから法事までの一連の流れを指す広い意味で使う場合と、宗教的な儀式だけを指す狭い意味で使われる場合があります。儀式の方は、通夜を合わせて「葬儀」と呼ぶ場合と通夜の翌日火葬前に行う儀式だけを呼ぶ場合があります。
ここでは、全体的な大まかな流れと、儀式としての葬儀の当日の流れと両方についてまとめます。日程の決め方や家族葬や直葬など種類別の流れにも触れていきます。ぜひご参考にしてみてください。
亡くなってからの流れ
初めに、大きな流れについて確認します。亡くなってから、葬儀を経てひと段落する四十九日ごろまでの流れについてまとめます。
➀通夜までの流れ
②通夜・葬儀・火葬
③葬儀後の流れ
なお詳しくは後ほど述べますが、この順序は多くの地域の場合です。一部異なる順番となる地域もありますがご了承ください。それでは1つずつ見ていきましょう。
➀通夜までの流れ
逝去されたら、死亡診断書の受け取りや「末期の水」(故人の口に水をふくませる儀式)などを行います。
次に搬送・安置です。ふつうはまず葬儀社の手配を行います。病院はいつまでも安置しておけないので、葬儀社が搬送と安置をすぐに手配してくれます。
そして打ち合わせや手配です。葬儀社と通夜・葬儀の打ち合わせを行い、日程・予算を決めて式場の確保・宗教者の依頼・火葬場の予約などを進めます。直葬などの形で葬儀社に依頼しない場合は、自分で死亡届の提出と火葬許可を得ることが必要になります。
親戚や知人、菩提寺への連絡などもこのタイミングで行います。
②通夜・葬儀・火葬
全国的には通夜・葬儀・火葬の順に行う地域がほとんどです。
通夜・葬儀の儀式の前にまず納棺(棺に遺体を納めること)を行います。納棺を行うタイミングは、通夜を行う場合は通夜の日の通夜を行う前、一日葬なら葬儀の日の葬儀を行う前です。通夜は、2日ある葬儀日程の1日目夕方、納棺のあとに行います。
通夜の翌日に葬儀と告別式を行います。時間帯は式場のスケジュールによります。葬儀・告別式の違いは、宗教的な儀式が「葬儀」、そのまま続けて行うお別れの式が「告別式」です。「葬式」は両者を合わせた表現です。
葬儀の後そのまま火葬場に移動し、火葬の後に拾骨を行います。近年は同日に「初七日」(しょなぬか)の法要と精進落としを行うのが一般的です。初七日の法要は、火葬の前に行う場合と後に行う場合の両方があります。
以上が多くの地域での流れですが、長野県では先に火葬してから葬儀を行う流れが一般的です。長野県では葬儀開始時刻より早めに焼香が始まります。告知の時刻には焼香が終わってしまっていることもあります。県外の方が長野の葬儀に参列されるときは、喪主の側も参列する側もあらかじめ確認しておいた方が安心です。
③葬儀後の流れ
火葬と葬儀が済むと、「後飾り」と呼ばれる祭壇に一時的に遺骨を安置します。仏式なら四十九日に法要を、神式なら五十日に霊祭を行います。法要・霊祭のあとに納骨(お墓に遺骨を納める)となります。これらの手配は、葬儀の後に行います。
そのほか儀式ではありませんが、役所などの諸手続きも必要です。手続きの中には期限が14日(年金受給停止など)や1か月(雇用保険受給資格者証の返還)のものもあります。期限に間に合うように順次進めていきます。
葬儀の流れの日程の決め方
葬儀の一連の日程を決める順番ですが、最初に火葬の予約をします。次に見ますが、一般葬では逝去の日を1日目とすると火葬は3日目です。なお火葬の予約には、役所への死亡届の提出が必須です。よって役所への死亡届提出と火葬の予約が最優先となります。
日程は参列者が参列しやすいように設定しましょう。場所と時間帯も併せて考える必要があります。たとえばバスで行く人が多いような場所では、時間帯によってはバスの本数が少ないこともあります。
遠方の親戚が参列できるかどうか考慮に入れて場所や時間帯を決めましょう。実際に参列できるかイメージして、日程・時間・場所の兼ね合いに気を付けて日程を決める必要があります。
今日亡くなったらいつお葬式を行うか
葬儀の種類・方法によりますが、葬儀は逝去の1日後あるいは2日後に行います。
一般葬・家族葬では、逝去当日は準備、翌日(2日目)に通夜、その翌日(3日目)に葬儀・火葬という流れです。直葬・一日葬の場合は、逝去当日は準備、翌日に葬儀・火葬となります。
ただし宗教者の都合や斎場の都合、火葬場の都合などで遅れる場合もあります。
通夜・お葬式をやってはいけない日とは
宗教を問わず多くの場合、友引の日の葬儀は避けられる傾向があります。通夜の方は本来問題ないのですが、気にする人もいます。
しかし六曜(大安・仏滅など)は、起源をたどると宗教と無関係です。とくに仏教の浄土真宗は迷信を否定しています。仏滅・大安は通夜・葬儀とも問題ありません。避ける必要も合わせる必要もありません。
友引の日は一般に避けられるため、前後の日は火葬場など予約が取りにくくなることもあります。友引の日は火葬場が定休日となっていることも多く、事実上その日を選べないケースもあります。
通夜の流れと時間
通夜の流れについてまとめます。なおここでは、一般的となっている仏式の場合についてまとめます。以下の順に解説します。
➀始まるまで
②式
③式の後
順に見ていきましょう。
通夜の流れ➀始まるまで
親族は通夜の開始の1時間前ぐらいに控室に集まります。斎場の設営は葬儀社が行いますが、供花の配列などは喪主が最終的に判断します。
開始の30分~1時間前から受付を始めて、15分ぐらい前には着席して開始を待ちます。
通夜の流れ②式
通夜は、18~19時に始まるのが一般的です。基本的に進行は担当者がやってくれるので、喪主や遺族が全体の進行を意識する必要はありません。
まず僧侶による読経が行われます。時間は15~30分前後ですが、場合により幅があります。読経の後は順に焼香します。故人との関わりが深い順に、遺族→親族→知人の順で行います。焼香の後、僧侶の法話がある場合もあります。僧侶が退出すると通夜は終了となります。
通夜の後は、喪主が挨拶を行います。弔問客への謝意・死去の報告・葬儀の時間の告知などを行い、「通夜振る舞い」についてもお知らせします。
通夜の流れ③式の後
通夜が終わると、「通夜振る舞い」を行います。通夜振る舞いは、弔問客への謝意を込めて酒食をふるまうことです。随時散会ですが、1時間程度で喪主が締めの挨拶をして終了となります。なお地方によっては行わない場合もあります。
通夜を行う葬儀1日目は、日付が変わる前にすべて終わるのが一般的です。
お葬式の流れと時間
次に葬儀の流れをまとめます。葬儀も実例の多い仏式の一般葬の場合についてまとめますが、ほかの宗教も式の進行以外の全体的な流れは同じです。宗教別の式の内容はのちにまとめます。ここでは次の順に解説します。
➀始まるまで
②式
③式の後
なおここでまとめるのは全国的に広く行われている順番の場合です。すでに述べた通り、長野県では葬儀と火葬の順番が異なります。ご注意ください。
それでは順に見ていきましょう。
お葬式の流れ➀始まるまで
葬儀も通夜と同様、親族は開始の1時間前を目安に式場に集合します。喪主は宗教者への挨拶、礼状やお礼品、受付の確認などを行います。
通夜を行った場合は斎場の設営はすでに済んでいますが、一日葬の場合はまだのことも多くあります。そのため一日葬の場合は、当日のこの時間に供花の配列や斎場の設営の確認も行います。
お葬式の流れ②式
開始時間はまちまちですが、午前10時ぐらいから正午ぐらいまでの間に開始するのが一般的です。ただし火葬の時間で前後する場合もあります。
進行は基本的に担当者がやってくれるので、喪主や親族が自分でしなければならないことはありません。
30分~1時間程度の読経があり、故人と親しかった人による弔辞奉読、司会者または喪主による弔電の紹介へと続きます。僧侶が読経する中、順に焼香を行います。僧侶が退出して出棺の準備で一時待機となります。
その後棺に花を入れたりして、出棺と最後のお別れへと移ります。霊柩車に棺を乗せて出棺、喪主は挨拶を行います。火葬場に行かない人はここで散会です。
お葬式の流れ③式の後
葬儀・出棺のあと、火葬場に移動します。火葬炉の前で「納めの儀」を行い焼香します。そのあと遺体が荼毘に付されます。1時間程度かかるので、その間は控室で待機します。用意ができたら炉の前に戻り、拾骨(骨壺に納める)を行います。
そのまま続けて初七日の法要(約30分)を行い精進落としをする場合もあります。受付から精進落としが終わるまで5~6時間が目安です。
種類別のお葬式の流れ
葬儀は種類によって内容が異なるため、種類ごとのおおまかな流れをまとめます。以下の場合について説明します。
一般葬
家族葬
一日葬
直葬・火葬式
それでは、1つずつ見ていきます。
種類別のお葬式の流れ➀一般葬
一般葬は通夜と葬儀の両方を行い、家族以外も参列する形式です。上で見た流れが一般葬の流れです。読経・弔辞奉読・弔電の紹介と続き、焼香に続いて出棺と最後のお別れを行います。出棺後は火葬場へ移動し、納めの儀・荼毘・納骨となります。
葬儀にかかる時間は5~6時間が目安です。
種類別のお葬式の流れ②家族葬
家族葬と一般葬の違いは「参列者に家族以外がいるか/いないか」だけで、行うことは同じです。そのため通夜・葬儀とも、家族葬も一般葬と同じ流れです。
ただし家族葬は参列者が家族だけで少なくなる分、受付・焼香の時間など短くなったり、弔電を読まなかったりという可能性はあります。若干短くなるかもしれません。
種類別のお葬式の流れ③一日葬
通夜を行わず葬儀だけ行うのが「一日葬」です。葬儀で行うことや流れは、一般葬も一日葬も同じです。そのためかかる時間は一般葬と変わりません。
ただし一般葬では納棺は通夜の前に行いますが、一日葬では葬儀当日に行います。そのため儀式にかかる時間が同じであっても、準備については一日葬の方がやや慌ただしく感じられるかもしれません。
種類別のお葬式の流れ④直葬・火葬式
「直葬」「火葬式」では、火葬から拾骨が終わるまで2時間程度です。直葬・火葬式とも、通夜と葬儀は行いません。納棺のあとすぐに火葬場へ移動となります。
納棺の時間は30分~1時間弱ぐらいです。その後に火葬場に移動します。火葬式の場合は「納めの式」で読経・焼香を行います。厳密には納めの式がある方式を「火葬式」と呼びますが、行わない「直葬」と同じ意味で使われることもあります。葬儀社に確認しておいた方がよいでしょう。
いずれにせよ、火葬にかかる2時間と納棺・移動の時間、さらに火葬式では納めの式の時間の合計が必要時間となります。
宗教や宗派別のお葬式の流れ
宗教や宗派により、お葬式の流れに違いがあります。次に宗教・宗派別の違いについてまとめます。ここでは以下の違いについてまとめます。
仏教
神道
キリスト教
1つずつ見ていきましょう。
➀仏教
宗派によって、僧侶による儀式の内容が異なります。
また僧侶が読経する経典も宗派によって違います。なお浄土宗では「南無阿弥陀仏」、日蓮宗では「南無妙法蓮華経」と参列者も唱える場面があります。
さらに、焼香のやり方・回数も宗派によって違います。多くは抹香をつまんで額までかかげてから香炉にくべますが、浄土真宗や臨済宗はつまんでそのまま香炉にくべます。回数も宗派により1~3回と幅があります。
そのほか線香の本数も違います。
②神道
神道も仏教も宗教者が葬儀を行う点では共通していますが、行う内容や意味が異なります。
神道の神主が行うのは「祭詞」で、仏教の「読経」ではありません。また参列者も仏教のような「焼香」は神道では行いません。代わりに玉串を供える「玉串奉奠」(たまぐしほうてん)を行います。
さらに神道の通夜は、式場の電気を消して暗くした中で、神職が故人の霊を「霊璽(れいじ)」に移す儀式「遷霊祭(せんれいさい)」を行います。これは仏式の通夜にはありません。
そのほか神式の通夜・葬儀にかかわる仏式との違いとして、香典袋の表書きは「御玉串料」とする、数珠は使わないといった点が挙げられます。
③キリスト教
キリスト教でも、通夜に当たる「前夜式」と葬儀の両方を行います。儀式の内容には、聖歌あるいは讃美歌の合唱、聖書の朗読、司祭あるいは牧師の説教、参列者による献花などがあります。
香典袋の表書きは「御花代」とします。喪主が教会に渡すのは「御礼」とするのが一般的です。またキリスト教においては死は悲しむべきことではないとされるので、お悔みは言いません。
以上はカトリック・プロテスタント両方のキリスト教の宗派に共通する点ですが、両者の間で違う部分もあります。具体的には、カトリックではワインとパンをキリストの血と肉にみたてて参列者に分け与える「聖体拝領」がありますが、プロテスタントの葬儀にはありません。
流れを乱さないための葬儀のマナー
葬儀の流れを妨げないために守るべきマナーをまとめます。ここでは次の3点について解説します。
➀服装
②香典
③言葉遣い
それでは、1つずつ見ていきましょう。
➀服装
服装は、宗教や宗派を問わず共通です。男女とも光沢のない黒が基本です。
男性は黒スーツ、白ワイシャツ、黒ネクタイを着用します。靴下と靴も黒を選びます。女性は黒のワンピースやスーツです。パンプスとストッキングも黒です。露出の少ないデザインを選びましょう。
「平服で」とある場合もカジュアルは避けます。ダークグレーやネイビーなど暗い色で、デザインはスーツやワンピースを選びます。いわゆる「略喪服」が葬儀の「平服」に当たると考えましょう。
②香典
香典袋は黒白の水引が基本です。ただし地域によります。水引のデザインは結びきり(固結び)です。
表書きは宗教に合わせて書きます。仏教では「御霊前」(浄土真宗は「御仏前」)、神道では「御神前」あるいは「御玉串料」、キリスト教では「御花料」とします。
神道・キリスト教の場合、蓮の花がデザインされている袋は避けます。神道は無地、キリスト教は百合の花や十字架がデザインされているものか無地の袋を選びます。
参列者として香典を包む場合は、宗教による金額の違いはありません。ただし金額は故人との関係性によって変わります。新札は避け、折り目のあるもの・多少使用感があるものを入れるのが葬儀の場合の礼儀となっています。
③言葉遣い
親族に対しては、「たびたび」「重ね重ね」など同じ言葉の繰り返しは使わないようにします。直接的な「死亡した」などの表現は避け、また亡くなった理由なども遺族に尋ねないよう配慮しましょう。遺族との長話も避けます。これらはどの宗教にも共通です。
そのほか宗教によって忌み言葉があったり、他宗教の用語は使わないので注意しましょう。たとえば「冥福」など仏教用語は、ほかの宗教では使いません。
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葬儀は、故人を偲ぶ気持ちが何よりも大切です。ただしある程度形式や決まりに合わせる必要もあります。故人や親族への弔意を表すために形式が決まっているとも言えるからです。さらに葬儀の習慣は地域性もかかわります。地元の葬儀社なら葬儀の後についても事情に詳しく安心です。
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